講師日記

18の前の数は何でしょう

こんにちは。

タイトルの問いに「17」という数がすぐ浮かびますね。でも、「19」と答える小学生もいるのです。そこには昨日述べた経験からくる素朴な思い込みが作用していると思われます。つまり、「前」という言葉に最初に接した時の意味が刷り込まれているのです。小学生が最初に「前」という言葉を習うのはおそらく幼稚園(保育園)での「前を向きましょう」でしょう。基準点が設定され自分がそこを向けば、その先が「前」というのが、ここでの意味です。「前に進め」もこの意味で使われます。進行方向が前という思い込みです。

こうした思い込みを数字に適用して、大きい数字が進行方向だから、前は「19」と考えてしまうのです。このような間違いは時計の見方でもみられます。「10時の10分前は何時何分」という問題に「10時10分」と答えてしまうのです。

算数に限らず国語でもこうした思い込みは影響します。よく国語では文に線を引いて問題が作られますが、その答えを解説するときにその線の「前の文」を見てくださいという時があります。そうするとわれわれがふつう使う意味での「後ろの文」を見る子がいるのです。

当たり前に使っている言葉が子どもにとっては案外難しいことがあります。その言葉を生きたものにすることも教育の一環ですね。

昨日と今日のブログの内容は以下の記事に多くを負っています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/98aef07008b14489f7c0fbd749e7316fa395eaef

今日も半袖

こんにちは。

ネットで興味深い記事を見つけました。

「子どもが14人、1れつにならんでいます。 ことねさんの前に7人います。 ことねさんの後ろには、何人いますか。」

この問題は小学1年生の教科書で習うものなのですが、小学3年生の7割がこの問題を間違えるというのです(正答率28.1%)。われわれ大人からすれば「うそだろ」と思ってしまうかもしれません。

多くの誤答が「7人」なのですが、それには理由があるといいます。

一つは、「問題文を正しく読まず(あるいは読むことができずに)出てくる数字を使って思いついた計算をしてしまっているということ」です。

子どもはそれまでの経験に基づく思い込みを持っていて、次のように考えるそうです。

「問題文に出てくる数字で計算すれば文章題は解けるはずだ」

「答えが小さくなりそうなときはひき算をすればいい」

ここから14-7=7という計算をしてしまうことになります。

正解するためには問題文にない「1」という数字を使わなければなりませんが、それを導き出すのはとても高度なことと筆者は言います。

もう一つの理由は、「多くの子は、「前」「後ろ」という言葉が生きた知識になっていないことです。」

これは私も教えていて実感するところがあります。この点はまた明日にでも書くことにしましょう。

まだ夏日

こんにちは。

10月も半ばというのにまだ日中は暑いですね。こういう時の服装には悩みます。私は暑がりなので晴れで20℃以上だったら半袖にすることが多いです(一応上着は持って出ますが、着ることはめったにありません)。先週の金曜日に電車に乗った際、車両の中で私だけが半袖でした(JR中央線の朝の時間帯)。ちょっと恥ずかしかったのですが、ちょうどよい感じだったので逆にみんな暑くないのかなと不思議でした。中にはそんな厚着して大丈夫という人もいましたね。

天気予報によるとまだ当分は日中20℃を超える日が続くみたいです。完全に衣替えするのはいつになるのでしょう。

祝!八冠

こんにちは。

もちろん、藤井聡太さんです。市は違えど同じ愛知県ということでつい親近感を抱いてしまいます。いつか八大タイトルを制覇するとは言われていましたが、こんなに早くするとは思ってもいませんでした。21歳ですからね。これから何年彼の天下が続くのでしょうか。

このような天才が出てくると(野球の大谷選手もそうですが)、必ず子育ての話(両親は彼をこう育てたとか、二人の子育てには共通点があったとか)がでてきます。しかし、同じことをしてもわが子が「藤井」や「大谷」になることはありません。くれぐれもそのての便乗本は買わないようにしましょう。

翔んで埼玉

こんにちは。

埼玉県議会に提出された「虐待禁止条例」改正案が世間を騒がせています。私もその内容を見た時には何かの冗談かと思いました。内容を知らない人は是非とも確認してください。目を疑うこと間違いなしです。さすがに猛批判を浴びて案は昨日撤回されました。

ただ、児童虐待は非常に深刻な問題であることは間違いありません。これによって議論がしっかりと進み、事態がいい方向に進むことを願うばかりです。

訂正

こんにちは。

10月4日のブログのタイトルと内容の一部の漢字が間違っていましたので以下のように訂正しました。

臨時会「招集」→臨時会「召集」

召集の「召(め)す」は、「人を呼び寄せる」という意味の尊敬表現です。身分や地位の高い人が自分より下の者を呼び寄せるときに使われます。つまり、天皇の行為です。国会を開くことは、内閣の助言と承認に基づく「天皇の国事行為」なので「召集」という言葉が使われます。

したがって現在では、人を集める場合には一般的に「招集」を使い、「召集」という言葉は国会に限って使われるものです。

不登校

こんにちは。

昨日、今日と不登校に関する記事が新聞に載っていました。2022年度の調査で、不登校の状態にある小中学生が10年連続で増加して過去最多になったというものです。問題はそれだけではありません。いじめの認知件数や暴力行為も過去最多になりました。最近では無理に学校に行かなくてもいいという考えがあるので、それも一つの増加要因かなとは思います。しかし、同じ調査で、38%の小中学生が相談や支援を受けられていなかったということも明らかとなりました。

もはや問題は学校の中だけで解決できるものでなく、社会全体で子どもを支える体制を構築していく必要があります。

臨時会召集(補足)

こんにちは。

昨日のブログではあえて書きませんでしたが、臨時会の召集に関して憲法の規定では内閣が決定することができるという後に次の文言があります。「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」というものです。

実は、この部分をめぐる裁判が起こされていたのです。ことの発端は、6年前に野党議員が憲法の規定(上記)に基づいて臨時国会の召集を求めたにもかかわらず、当時の安倍内閣が3か月余りにわたって召集しなかったことにあります(結局98日後に召集したが、冒頭で解散し、議論はなされませんでした)。それが憲法違反ではないかと提訴されたわけです。その最終判断が今年の9月に最高裁判所によって下されましたが、憲法違反かどうかの判断を最高裁はしないというものでした。

確かに、召集時期については規定されていませんが、要求があればある程度の期間内に応じるのが普通だと思います(野党議員は共同で「20日以内の召集」を盛り込んだ国会法改正案を去年提出しましたが、自民党は審議に応じようとしていません)。

「憲法の番人」としての姿勢を最高裁には示して欲しかったですね。

国会の種類

こんにちは。

中学3年生では、社会の「公民」で国会のことを学習します(学校でもうそろそろ習うはずです)。「政治」分野は特に「生もの」ですから、現実の政治を見ることによってより理解できるようになります。

国会の主な仕事は法律の制定と予算の審議・議決です。しかし、1年中開いているわけではなく会期があります。現在は開かれていない状態です。毎年一回必ず開かれる「常会」が終わったからです。常会は1月中に召集されるもので、会期は150日間となっています。今年は1月23日に開会、6月21日に閉会となりました。

ただ、常会の後何か問題が起こったらどうするのかという疑問がわきますよね。たとえば、今は経済対策をどうするのかという大きな問題があります。そうした時に開かれるのが「臨時会」です。基本的に内閣が召集を決定します。今年は10月20日に召集されることになりました。

また、臨時会は衆議院解散のために開かれることもあります(今度の臨時会で解散もありえるという報道もされています)。もし解散となれば選挙が必ず行われます。その選挙後に開かれるのが「特別会」です。そこでは内閣総理大臣の指名が行われます。

以上、上記の三種類は必ず覚えておきましょう(もう一つ、参議院の緊急集会がありますが、これは必須ではありません)。

名月と満月

こんにちは。

先週の金曜日(29日)は「中秋の名月」でしたね。しかも満月。

みなさんは、お月見をしましたか。

名月といえば、小林一茶の有名な俳句を思い出します。

「名月をとつてくれろと泣く子かな」

手を伸ばせば届きそうなくらい大きな月だったんでしょう。子どもがねだる情景が目に浮かんできます。

ただ、名月と満月は必ずしも一致するとは限らずしばしばズレることがあります。一茶とその幼子が見た月はどうだったのでしょうか。

ズレる理由について詳しくはこちらをみてください。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C3E6BDA9A4CECCBEB7EEA4C8A4CF2FCCBEB7EEC9ACA4BAA4B7A4E2CBFEB7EEA4CAA4E9A4BA.html

したがって、次に名月と満月が重なるのは7年後になります。

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